殺陣師の亡き夫に2度目の恋 アクションは止まっても
河合真美江
風を通そうと夫の部屋に入る。机に本もボールペンも置かれたままなのに、彼の背中がそこにはない。そう思うと、苦しくなる。
息を吸いこむと、今も夫のにおいがする。たとえると野の草のにおい。殺陣師という男臭い仕事をしていたのに、男臭さがない。
「あぶない刑事」アクション演出
東京都府中市の一軒家。南東角部屋に冬の日が差し込む。多加野(たかの)詩子(うたこ)さん(54)の夫、高瀬将嗣(まさつぐ)さんはここで逝った。63歳、胃がんだった。
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「波濤(はとう)流」高瀬道…
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