コロナで撮れない映画 各大学映画部が共作 公開も実現

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佐藤美鈴
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「希望」テーマに 1分以内で制作

 湯飲みの中で茶柱が立った。朝日が昇ってゆく――。全国約100大学の映画部が「希望」をテーマに、それぞれ1分以内の映像を制作した。その模様をつないだオムニバス映画「突然失礼致します!」が来年、映画館で上映されることになった。どれも短いが、日常のささやかな幸せを描くなど多様な視点で、コロナ禍での学生たちの心境や生活が垣間見える。

 劇場での上映資金はクラウドファンディングで募った。総監督を務めた群馬大映画部部長の熊谷宏彰さん(22)は「希望がコロナウイルス以上に広がれば」と語る。

全国の映画部から180作品結集

 はじまりは4月。コロナの感染拡大で大学に通えずサークル活動もままならないなか、熊谷さんがSNSで「突然失礼致します!」とメッセージを送り、オンラインでの交流を呼びかけた。これに応じて、映画部や映画研究会などに所属する各地の大学生500人以上が制作に参加した。皆、作品を撮りたいけれど撮れない葛藤を抱えており、計180本が集まった。

 各作品は5月末から7月にかけて、3密を避けて撮影。自宅でひとりで撮影した作品も多いが、オンライン会議システムや編集でつながりを演出するなどコロナ禍ならではの工夫がにじむ。熊谷さんは「SF、時代劇、アニメと多様なジャンルがあって想像を超えていた。自粛生活を強いられた学生が思い描いた希望が180通りも提示できた」。その後、投票などで選ばれた66作品を劇場版として約90分に編集した。

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