強制送還で友を失った 29歳が挑む在留資格と国境の壁

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聞き手・笠原真
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 日本に住む外国籍の人たちは今、290万人もいます。ペルーにルーツをもち、6歳で来日した岡村アルベルトさん(29)は5年前、海外から日本へ働きに来る人たちの在留資格の取得を支援する会社「one visa」を立ち上げました。掲げた理念は「世界から国境をなくす」。その心は――。

 ――会社ではどんな事業をしているのですか

 外国籍の人が日本で働くためには「在留資格」が必要ですが、申請手続きは複雑で、日本語が不得手な人には大変な作業です。そこで、それぞれの母国語でオンライン上の入力フォームに記入してもらえば、自動で正式書類に変換されるサービスをつくりました。より多くの人に届くよう、今は外国籍の人たちの入管業務を担う行政書士向けにサービスを展開しています。

 ――なぜ在留資格に着目したのですか

 私は6歳の時、母の出身国ペルーから大阪に移住しました。大阪では同じくペルーにルーツをもつ友達がいたのですが、私が8歳の時、突然会えなくなりました。在留資格に不備があったらしく、「強制送還になった」と母から聞きました。最初は「転校しちゃったのかな」くらいの感覚だったんですが、年を重ねるにつれ強制送還の重みがわかるようになりました。

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 もう一つの転機は13歳の誕…

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