家を出た娘に「死ぬのは自由」 母に言わせる社会の弱さ
下地毅
ふと、母親(65)は、長女(37)が幼かったころを思いだす。
「かわいかったよお。幼稚園のお遊戯なんてね、あの子がいつも一番! 私、アホやな。でもね、かわいくて、かわいくてしょうがなかったよ」
いまは関東地方に住んでいる長女から携帯メールが送られてくる。
「勝手に親ぶんな」
「邪魔なんじゃ。はよ死ねよ」
「あなたはもう親ではありません」
読みおえて母親は現実に引きもどされる。携帯の画面につぶやく。
「死ぬのも生きるのもあんたの自由。お好きにどうぞ。関わりたくありません」
異なる親子の言い分
県内で暮らす母親は、長女を生んで1年後に離婚。以来、シングルマザーとして長女を育ててきた。
長女は、大学を卒業後いったん実家に帰り、自殺未遂と家出を繰り返した。5年前の32歳のときに家を飛びだしてそれっきりだ。
長女の言い分――
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私が幼稚園のころから、母親…
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