僕らは被災地を「応援」する サンドウィッチマンと東北

有料記事東日本大震災を語る

構成・川野由起 高橋昌宏
写真・図版
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 東日本大震災は、当たり前と思っていた日常の光景や生活を一変させました。そして、あの日をきっかけに新たな歩みを始めた人がいます。仙台出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんと富澤たけしさんに10年間の道程を聞きました。

〈サンドウィッチマン〉だて・みきお、とみざわ・たけし ともに1974年生まれ、仙台市出身。仙台商業高のラグビー部で出会い、98年にコンビ結成。2007年に「M-1グランプリ」優勝。東北放送「サンドのぼんやり~ぬTV」収録中に気仙沼市で被災した。

【特集】東日本大震災を語る

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 《「東北魂」を掲げ、被災地に通い続けてきた2人。あの日、地元テレビ局の番組のロケで宮城県気仙沼市にいた。逃げた山から、街が津波にのみ込まれる瞬間を目の当たりにした》

 伊達 震災直後、気仙沼に行くと「おかえり」と言われてびっくりしました。「(同じ被災者として)迎えられている。何とかしないと」という気持ちになりました。毎年3月11日は気仙沼に行っています。街も復活し、観光客を迎えられる態勢になっています。

 富澤 行きすぎて、「また来たの」って言われます(笑)。

 《「笑い」で元気づけられないか。悩みつつ、漫才を披露した時期もあった》

 富澤 身内が亡くなったり、行方不明になったりしている方々はお笑いを望んでいないです。「何が何でもお笑いやるぞ」ではないと行ってみてわかりました。逆にテレビを見ている人は、重い話ばかりだと引いてしまうこともある。ふざけながら伝えられるほうがいいかなと感じました。

 伊達 たとえば、バラエティー番組などでおいしいものについて話す時、東北の何かを紹介するとか。

 富澤 「いいもの」先行でその後に被災地でのストーリーがわかればいいのかなと思いますね。「ああ、そういう場所のものなんだ」と。

伊達さんが、はっと気づいた

 《全国ネットの番組で司会を務める傍ら、地元局の番組のために月1、2回は沿岸部に通い続ける》

ここから続き

 伊達 できるだけ寄り添うと…

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