各国情報機関が知る自衛隊「海の男」、尖閣防衛を語る

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編集委員・峯村健司
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 防衛省情報本部。東京・市谷の防衛省13階に拠点を構え、部外者の立ち入りは厳に制限されている。職員は約2500人。衛星写真の解析や電波傍受も担い、周辺国の軍の動静をつぶさに分析するインテリジェンス(情報収集・分析)組織だ。

 そのベールに包まれた日本最大の情報機関を約2年間率いた大塚海夫氏(60)。各国の軍や情報機関の間では「Man of the sea(海の男)」の愛称で知られ、自衛官出身で初の大使として、アフリカ東部ジブチに赴任した。

 中国が周辺国に強硬な態度を示す中、中国軍はどのような戦略を描いているのか。日中がにらみ合う沖縄・尖閣諸島をどのように守ればいいのか。10月末の赴任を前に聞いた。(編集委員・峯村健司)

中国軍改革、相当進んでいる

 ――防衛省情報本部長を務めた経験から、周辺国の動向をどうみていますか。

 中国の国防費は、冷戦後の約50倍になっている。尖閣諸島や南シナ海での中国軍の動向を見ていて感じたのは、これまで見たことがない強硬な動きが急増していることだ。

 ロシアは冷戦期にも見られなかった北方領土千島列島での軍事開発を進めている。北朝鮮も核とミサイルの技術を急速に向上させている。

 ――中ロ両軍は合同軍事演習に積極的です。どのような狙いでしょうか。

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 かつては政治的な示威が目的…

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