手のひらサイズの松の木の盆栽と、枯山水の庭園。実はこれ、全部自分で作って食べられるんです――。子どもに人気の「作るお菓子」の大人版が発売され、人気を集めている。和の世界観を自分で表現できる楽しさと意外性が評判になり、一時は製造が追いつかなくなるほど。コロナ禍で自宅にいる時間が増えたこともあり、こうした菓子の市場は急拡大しているという。

松の葉はスポンジケーキ

 チョコレート味のソフトキャンディーを型に詰めて作った太い幹に、電子レンジで作った緑色のスポンジケーキをちぎって乗せ、好みの「枝ぶり」にしていく。冷やす時間も入れて約1時間ほどで、小さいながらも趣のある「ミニ盆栽」ができあがった。

 実際にやるには少し身構える盆栽を、手軽に、「おいしく」楽しめると話題になっているのは、今月発売された「おかしでつくる盆栽」(希望小売価格は税込み378円、全国のスーパーや雑貨店などで販売)。菓子メーカー、ハート(東京都墨田区)の「DIY CANDY KIT」シリーズ最新作だ。本物に近い葉の質感を出すため、当初はあめ細工を試すなど試行錯誤してスポンジにたどりつき、誰でも分かりやすい手順なども吟味して、約半年かけて完成にこぎ着けた。

 同社はもともと、クリスマスブーツの菓子詰め合わせなどを主力商品としてきたが、販路拡大のため、「大人向け」ジャンルの強化を模索。企画開発を担当する実川桃子さん(36)の趣味が京都旅行だったことから、「わびさび」の世界観をお菓子で再現できないかと着想した。

 昨年秋に、細かなラムネを白砂…

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