「確かに高齢者ですが…」 袴田巌さんの姉、笑顔と覚悟

有料記事袴田巌さん

植松敬 戸田和敬
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 再審開始への一筋の光が見えた。最高裁は、袴田巌さん(84)の再審開始を認めなかった東京高裁の決定を取り消した。高裁決定から2年半。年の瀬にようやくもたらされた一報に、姉の秀子さん(87)や弁護団は喜び、そして再審への期待を新たにした。

 「何よりもうれしく思いました。皆様のおかげだと思っています」。23日、最高裁決定を受けて静岡市内で弁護団とともに会見した秀子さんは目を赤くし、喜びをこう語った。袴田さんの釈放が維持されたことについても「そんな(再び収監するという)むごいことはしない、絶対に大丈夫だと思っていました」と話した。

 最高裁は、死刑判決の証拠となった「5点の衣類」について、弁護団や支援者が実施した「衣類のみそ漬け実験」を重視。高裁で、専門的知見を基に審理し直すべきだとした。実験をした支援団体の山崎俊樹事務局長は「時間をかけてやってきたので評価されたのはうれしい。次に向けて動いていきたい」とした。実験に携わった間(はざま)光洋弁護士は、血痕について、さらに調査するとし、「改めて効果を立証する必要がある」と述べた。

袴田巌さんは今、どのような日々を過ごしているのか。動画でお伝えします

一報を聞いた袴田さんは

 衣類の血痕は赤みが残っていたが、実験では1年以上みそに漬かった血痕は「黒褐色になる」との結果が出ており、弁護団は「捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の疑い」を主張してきた。弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「捏造を疑わせる事実はたくさんある。高裁に出し、より確実に再審を求めていきたい」と話した。

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 秀子さんによると、最高裁か…

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