古刹の庭、切り取るハート 天井には花鳥風月の世界

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文・白見はる菜 写真・筋野健太
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 ハート形に、世界をかわいらしく切り取った窓。見上げれば、花鳥風月の天井画。癒やされたいと、今日もこの部屋を訪れる。

 20畳の和室に入ると、縁側に面した、ふすまをくりぬいたような縦横1メートルほどの「猪目窓(いのめまど)」に目が釘付けになった。「きれい。本当にハート形してる」。居合わせた京都市内の20代の男女が、いそいそとスマホを取り出し、窓を背に自撮りをし始めた。

 宇治茶の発祥の地とされる京都府宇治田原町の古刹(こさつ)、正寿院。仏像のない客殿の「則天の間」にあるこの窓が、参拝のハイライトとなっている。

 ハート形は古来よりイノシシの目をあらわした厄よけの文様とされる。座ると、新緑に紅葉、雪景色と四季折々の自然がハート形に切り取られ、目を楽しませる。カワイイ眺めがインスタ映えを求める老若男女を引き寄せる。

 見どころは頭上にも。ツバキやこいのぼり、舞妓(まいこ)など花や鳥、風景などを題材にした160枚の天井画だ。「過疎が進んでいるからこそ多くの人が訪れる場所にしたかった」と副住職の久野村大寛(だいかん)さん(33)は語る。

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