きっかけは自身の悩み…自分の体臭?科学分析に依頼続々

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小林祝子
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 あるベンチャー企業が始めた体臭を分析するサービスに、依頼が次々と舞い込んでいるという。開発したのは、かつて自分の体臭に悩んだ男性だ。

 サービスに申し込むと、Tシャツなどの「判定キット」が送られてくる。同封されている臭いを吸着する活性炭でできた素材をTシャツに貼り付け、これを24時間着て返送する。

 後日届く報告書には、脇や襟、背中など上半身8カ所の臭いが分析されている。「酸っぱい香り」などの印象や5段階の不快度のほか、他人が臭いを感じるだろう距離も示している。

〈わきが〉診断名は「腋臭(えきしゅう)症」。日本形成外科学会のガイドラインによると、「疾患というよりは体質」とされる。臭いが強いと判断されれば保険適用で汗腺を取り除く手術を受けられるが、専用機器で皮下の汗腺にマイクロ波を照射し焼き切るといった全額自己負担の方法もある。日本美容外科学会によると、2019年は手術4375件に対し、痛みが少ない、傷痕が残らないなどの利点から非外科的治療は4万4100件だった。

 また、わきがや加齢臭といった臭いを構成する25種類の化学物質が体臭にどの程度含まれるかも機器で分析。これらを元に、服の洗濯方法や入浴の仕方などの対処法を助言する。正社員1人の小さな会社だが、送料込み1万5千円のキットがこれまで1千個売れた。同額の対面でのサービスを受けた人は100人を超える。

 サービスを提供しているのは、埼玉県和光市の会社「オドレート」。臭気判定士の資格を持つ代表取締役の石田翔太さん(30)が起業したのは、自身の経験があったからだ。

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