消火ガス吸い?1人死亡、装置誤作動か 愛知のホテル

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 22日午前10時ごろ、名古屋市中区錦3丁目のホテル名古屋ガーデンパレスの地下駐車場付近で、「煙が上がっている」と119番通報があった。愛知県警によると11人が病院に搬送され、男性作業員(51)が死亡、30代男性が重症。二酸化炭素炭酸ガス)を出す消火装置が誤作動した可能性があり、県警は業務上過失致死傷の疑いも視野に慎重に捜査する。

 県警や市消防局によると、亡くなったのは岐阜市日野西2丁目の玉田謙さん。11人はいずれも作業員やホテル従業員らで、宿泊客は無事だった。現場は地下階で出入庫する立体駐車場で、前日から2基のうち1基の修理工事をしていたという。

 消火装置は火災時に自動で作動するが、手動で起動もできる。現場では火の手は確認されなかったといい、何らかの原因で誤作動したとみられる。工事業者によると、エレベーターのチェーンの修理だったといい、担当者は「修理は消火装置とは関係がなく、なぜ作動したのか見当がつかない」と話した。

 現場は名古屋市中心部の「錦三(きんさん)」と呼ばれる繁華街。消防車など39台が出動し、騒然となった。ホテル名古屋ガーデンパレスは178室、立体駐車場の収容台数は64台という。吉江元次・総支配人は「駐車場設備に関する事故が発生し、おわび申し上げます。消防、警察による原因調査に協力しております」とコメントを出した。

白っぽいガス「やばい」「逃げろ」 次々と倒れる人

 地下空間にいた作業員らは、瞬く間に充満した白い煙のような炭酸ガスに巻かれた。

 「火災です、火災です」。現場の駐車場の管理会社の70代男性従業員は、突然の警報を聞いて周囲を見渡した。火の気はない。誤報かと思った次の瞬間、「今から炭酸ガスを注入します」というアナウンス。白っぽいガスが流れ込み、迫ってきた。「やばい」「逃げろ」。ガスに巻き込まれた作業員が床に倒れ、警報を受けて駆けつけた人も倒れた。男性も息苦しくなりながらも、階段で1階へ避難したという。「警報から5、6分のことだった」と振り返った。

 ホテルの車寄せ付近には大量の布が敷かれ、ぐったりと座り込む作業服姿の人や、横になったまま動かない人もいた。ホテルの飲食店で働く女性(56)は「宿泊客と従業員はロビーに避難したが、怖かった」と話した。

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