第6回15分間の乱射、割れた自宅の窓…元特派員が見た天安門

有料記事外交文書は語る 2020

聞き手 倉重奈苗
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 中国共産党政権が1989年6月4日、民主化を求める学生らを武力で弾圧した天安門事件。当時、朝日新聞の北京特派員だった田村宏嗣さん(65)は、戒厳部隊による銃乱射で自宅が被害を受けた。当時を振り返ってもらった。

 北京に駐在していた頃、私の住居は天安門広場につながる大通り沿いにある建国門外の外交官アパート3階でした。北京支局はその東側で、歩いて15分ほどの斉家園アパート6階にありました。

 「タン!タン!タン!」

 6月7日午前10時10分すぎ。戒厳部隊の兵士が外交官アパートなどに向け銃を乱射しました。私は支局にいて銃声を聞いたのですが、自宅には妻がいました。乱射は15分ほどで終わり、妻はその間、大通りに面した自宅を出て、大通りと反対側の1階玄関に隠れていました。

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 9日に自宅に戻ると、通りに…

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