セーリングの魅力伝えるには 海上ゆえの面白さ、難しさ

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東京スポーツ部 松本麻美
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 セーリングは冒険だ。帆で受ける風を動力に、波を読み、風を読み、ゴールをめざす。選手は「人」と競争するのはもちろん、「自然」という相手と向き合うことになる。

 ただ、海上で行われるがゆえに、その迫力が観客に伝わりにくいのが口惜しい。

 報道陣はというと、GPS情報をもとにした各艇の現在地を画面越しに見守るか、小型船に乗り込んで海上で選手を追うことになる。臨場感を優先するのなら、当然、後者の方法でレースを追うことになる。

 11月、来夏の東京五輪会場となっている神奈川・江の島ヨットハーバー沖で開催された全日本470級選手権で、日本セーリング連盟の河野博文会長自らが操舵(そうだ)する小型船に乗せていただいた。

 天候に恵まれたが、時に頭から波をかぶり、船底が海面にたたきつけられる衝撃を感じながらカメラを構えた。半日ほど海上にいるので、船酔いしやすい人には苦痛だろう。一方、探検家になったような非日常感が、セーリング取材ならではの醍醐(だいご)味でもある。

 そして、同じ環境下だからこそ、モーターなしで自在にヨットを操る選手たちの技術力を実感できる。一つ操作を誤れば風の抵抗で失速。一見遠回りに見えても、風の強い波間を選べば一気に追い上げることもできる。マークを回る際はヨット同士が接近し、GPSを追うだけでは決して分からないギリギリの攻防戦を見られるのだ。

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 観客も同じように海上で観戦…

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