ロシアが…いや中国も サイバー攻撃に米政府ちぐはぐ

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ワシントン=渡辺丘
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 米政府機関がサイバー攻撃を受けた問題で、被害が広範囲にわたっていたことが分かりつつある。17日には、米エネルギー省も侵入を受けていたことを明らかにした。ロシアの情報機関と関わりがあるハッカー集団の関与が疑われるなか、米マイクロソフトは「米政府の機密情報と、それを守る企業の技術を狙った広範で成功したスパイ攻撃だ」との見解を示した。

 米政治専門サイト・ポリティコによると、エネルギー省で核兵器を管理する国家核安全保障局(NNSA)や、核兵器関連の研究を行うサンディア、ロスアラモス両国立研究所、連邦エネルギー規制委員会のネットワークに不審な活動が見つかったという。エネルギー省の報道官は「調査は継続中」としつつ、NNSAなどへの影響は出ていない、との声明を出した。

 米政府への攻撃は、商務省財務省でハッキングが発覚したことをきっかけに、明らかになった。連邦捜査局(FBI)や国家情報長官室などは16日に共同声明を出し、「全容の把握に努めているが、連邦政府のネットワークに影響が出た」と被害を認めた。手口としては、米IT企業ソーラーウィンズのソフトウェアが狙われ、同社製品を利用する政府機関や企業が被害を受けている。米メディアによると、ロシア対外情報庁(SVR)の関与が疑われている。

 マイクロソフトによると、これまで被害にあった顧客を40以上特定しており、政府機関のほかにシンクタンクやIT企業が含まれるという。多くは米国内だが、カナダイスラエルなど他の7カ国でも被害が確認されたという。日本は含まれていないが、「被害者の数と場所は確実に増える」としている。

 バイデン次期米大統領も「大規模なサイバー攻撃が起きたとみられる」と17日に声明を発表した。「私の政権は、サイバーセキュリティーを最優先課題とする。良い防衛だけでは十分でなく、敵の重大なサイバー攻撃を妨害し、抑止する必要がある」と述べた。(ワシントン=渡辺丘)

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