ロシア除外をどうみた? WADA事務総長インタビュー

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ロンドン=遠田寛生
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 ロシアのドーピング問題は、代表チームとしてのロシア選手団が東京オリンピック(五輪)・パラリンピックなど主要な国際大会から2年間除外されることで決着がついた。ただ、抜け道が多く、処分が甘いと批判もある。ドーピングを取り締まる側からみたら、この裁定はどうなのか。世界反ドーピング機関(WADA)のオリビエ・ニグリ事務総長が18日、朝日新聞の取材に応じた。

 17日にスポーツ仲裁裁判所(CAS)が出した裁定は、WADAが要求した4年間の半分に過ぎなかった。厳しい処分を望んだ選手や反ドーピング機関の関係者から「がっかり」「失望」との声が上がった。

 発表から一夜明けた18日、ニグリ事務総長は取材に「期間が減り、とても残念だ」と本音を漏らした。主張が通れば、東京と2022年北京冬季五輪だけでなく、24年パリ夏季五輪も含まれた。

 審査を通ったロシア選手は個人資格で主要国際大会に出場が認められる。国旗の使用や国歌演奏は禁じられるものの、ユニホームにロシア国旗と同じ白、青、赤色を使うことが認められ、国名が入ることは許された。ニグリ事務総長は「フラストレーションや批判も分かる。だが、これが裁判所の仕組みだ。検察官役だったWADAはできる限りのことは尽くした」。

 裁定の発表は概略のみ、180ページ以上という詳細は後日公表される予定だ。まだ、WADAにも届いていない。「我々はロシアに対して、もっと強いシグナルを送りたかった。だが、CASは2年が十分だと判断した。いずれにしてもこの裁定で、ロシア国内の考えが変わり、正しい一歩を踏み出すようになる判断になることを願う」と話す。

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 一方で、ニグリ事務総長は収…

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