バスケットボールの第73回全国高校選手権(ソフトバンクウインターカップ)が23日、東京体育館と東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕する。高校総体は中止、国体も延期となり、高校生にとって今年最初で最後の全国大会だ。全国制覇58回を誇る名門・能代工(秋田)にとっては、学校統合に伴う校名変更の前の最後の全国大会となる。同校の卒業生であり、日本選手初のNBAプレーヤーとなった田臥勇太(40)=B1宇都宮=に、母校への思いを聞いた。
――率直に、校名変更を知った時はどう思いましたか。
「非常に伝統ある高校なので、残念だなという思いはもちろんあった。でも、現役の高校生たちはこれからがある。新しい校名で、また新しい歴史や伝統を築いていってもらえれば」
――能代工の伝統とは。
「能代市に行ったことがある人は分かると思うんですけど、本当にバスケットが大好きな人、能代工のバスケットを応援してくださる人がたくさんいる街です。『バスケットの街』って言えるところは、日本でなかなかないと思う。非常に特別だと高校の時から感じていました。バスケットを強くしたいという思いがどんどん積み重なって、伝統になっているんじゃないかなと思います」
――節目と捉え、新しい歴史の一ページにしてほしいと願う街の人もいます。
「僕も割とその考えです。校名が変わることで、これだけ注目、報道してもらえる学校も、そんなにない。それだけ皆さんから応援してもらっている学校なんだと、改めて思った。他のスポーツでも校名が変わるケースはある。それこそ女子バスケットの名門・名短(名古屋短期大付属)は桜花学園に変わったけれど、勝ち続けて新しい校名が定着している」
「もちろん、現役の高校生だったらどう感じていたのかなっていうのはある。けれど、先輩として後輩たちに言ってあげられることは、新しい校名と共に新しい歴史を刻んで、チャレンジしてもらいたいということ。ポジティブに捉えてもらいたいと思います」
記事の後半にはロングバージョンのインタビュー動画もあります。
――ここからは自身の思い出を振り返ってください。能代工に進学を決めたきっかけは。
「中学のバスケットボール部の…