ヒグマ逃げ出す「モンスターウルフ」 世界に響く雄叫び
この秋、北海道で撮影された異様な光景の動画がネットニュースで配信され、世界中で話題になった。
札幌市から北東に90キロほど離れた滝川市。住宅地そばのブルーベリー畑で、オオカミ型ロボットの目が怪しく、赤く光る。そして、周囲に怪獣の咆哮(ほうこう)のような音がとどろく。
いったい、何が起きたのか――。
滝川市では今年9月と10月、住宅地に近い2カ所でヒグマが出没した。市が急きょ導入したのが、オオカミ型害獣撃退装置「モンスターウルフ」だ。怪獣の咆哮は、モンスターウルフが発したものだった。
開発したのは、滝川市より約20キロ札幌寄りに位置する奈井江町の町工場、金属部品製造の「太田精器」だ。
モンスターウルフは胴体が全長約120センチ、防水加工したフェイクファーで覆われている。そこに、映画にでも出てきそうなオオカミの頭がついている。それもそのはず、オオカミ男のマスクをもとに作ったものだ。
「オオカミに詳しかったわけではなかったので、かなりの部分、想像で作りました」
太田裕治社長(62)が打ち明ける。
そんなモンスターウルフの威力は、抜群だった。
記事後半は太田裕治社長のロングインタビュー。社長を涙ぐませた農家さんのふるまいとは? 開発秘話をお届けします。
光と音で威嚇 電気仕掛けの天敵
滝川市が設置した2カ所では…
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