老朽した美浜3号機、再稼働を地元議会同意 全国2例目

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室矢英樹 佐藤常敬
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 運転開始から44年が経った老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県美浜町)について、美浜町議会は18日、再稼働に同意すると決めた。老朽原発再稼働への地元議会の同意は全国2例目。関電は2021年1月に約10年ぶりとなる再稼働を目指している。

 大手電力10社でつくる電気事業連合会が17日、原発から出る使用済み核燃料を保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設について、各社での共同利用を検討すると発表しており、その翌日の同意表明となった。

 美浜3号機は1976年12月に営業運転を開始。2004年に11人が死傷する事故を起こした。原子力規制委員会が16年、40年超運転を認可していた。

 再稼働には首長や議会の同意が必要。同じ老朽原発の関電高浜1、2号機の再稼働には、地元の福井県高浜町議会が11月に同意している。

 取材に対し、野瀬豊・高浜町長は「年内の判断を見送る」とし、戸嶋秀樹・美浜町長も「年内は難しい」と話している。杉本達治・福井県知事は判断の前提として、中間貯蔵施設の県外候補地を年内に示すよう関電に求めている。

 むつ市の施設の共同利用案について、電事連は18日、三村申吾青森県知事と宮下宗一郎・むつ市長と面会し、方針を伝える見込みだ。福井県関係者の一人は、「共同利用案で、杉本知事が判断するハードルは下がった」と話す。年明け以降、福井県知事の判断に向けた動きが始まるとみられる。

 規制委の審査でこれまでに40年超運転が認められた原発は、高浜1、2号機、美浜3号機のほか、日本原子力発電東海第二(茨城県東海村)の計4基ある。(室矢英樹、佐藤常敬)

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