「死んでいたかも」水虫薬飲み運転、記憶飛んだ男性語る

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平野尚紀 鈴木智之
【音声】ビデオ通話で、薬の服用後に記憶を失った体験を語る女性
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 製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が製造した水虫などに効く飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、この薬を服用した岐阜県高山市の男女2人が朝日新聞の取材に応じた。「死んでいたかも」。意識がもうろうとなって自損事故に遭った体験などを語った。薬を処方した主治医も取材に応じ、「まさか睡眠導入剤が混ざるとは。あぜんとした」と話した。

 「死んでいたかもしれない」。岐阜県高山市の建設会社員の男性(60)はあの薬を飲んだ日をふり返る。

 11月27日朝。自宅で出勤前に薬を服用した。約1年前からアトピー性皮膚炎などの治療で1日1錠を飲み、副作用もなかった。発疹がひどくなり担当医の指示でこの日は2錠にした。

 軽ワゴン車を運転して市内の建設現場に向かう途中、意識が遠のいた。服用して約1時間後だった。車線のない直線道路でふらふらと中央から右に大きくそれ、道ばたにはみ出そうになった。「慣れた道なのに。疲れがたまっているのかな」と思いながらも運転を続けた。強い眠気に襲われ、意識を失いかけてはハッとわれにかえる繰り返しだった。

 コンビニで昼食の弁当を買い、再びハンドルを握って間もなくした時だった。

 ぶつかる――。気づくと道路脇の斜面に車が乗り上げる寸前だった。その後の記憶はぼんやりしている。意識が戻った時、車が道路脇の大きな石に乗り上げ、約15メートルの下り坂をずるずると後ろ向きに下っていたことがわかった。車は底部やバンパーが破損した。

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 運転した道は片側1車線でカ…

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