無塩の漬けもの「すんき」 一口で古里の時間に戻る味

有料記事朝ごはんの風景

聞き手・才本淳子
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朝ごはんの風景 団体職員 木村みかさん(56)

 冬になるとほぼ毎朝、食卓にのぼるのが「すんき汁」です。私が暮らす長野県木曽地方の漬けもの「すんき」を使ったみそ汁。木曽の冬は厳しく、朝は冷え込んで零下の日が続きます。でも、このすんき汁を飲むと心も体もほっと温まります。

 すんきは、塩を一切使わずに、赤カブの葉と茎を乳酸発酵させる漬けものです。我が家も毎年漬けていて、幼い頃から、祖父が収穫したカブで、祖母がすんきを作る姿を見てきました。祖父母が亡くなった今は、母(84)が漬けています。

 今年は11月末に漬けました。昨年のすんきを乳酸菌のタネにします。細かく刻んだ葉や茎をさっと湯通しして昨年のすんきを混ぜ、たるに仕込みます。たるをストーブの前に置き、毛布で覆って保温し、一昼夜発酵させるとできあがりです。酸味の具合が決め手で、最初の一口は「今年のすんきの出来はどうかな」とみんなで、そのまま食べるのが我が家の恒例です。冬の間、毎日食べています。

後半は「すんき」の食べ方を紹介しています。朝日新聞では、全国各地の朝ごはんとその物語を「朝ごはんの風景」で連載しています。みなさんの朝ごはんとそのエピソードも募集しています。seikatsunews@asahi.comメールするへ。

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