電気代は月600円 無給の練習生からカープの選手に

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藤田絢子
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 生活費を削るため、月600円の電気代で生活してきた。今秋のプロ野球ドラフト会議で広島から5位指名された行木(なみき)俊投手(19)は、独立リーグの練習生として無給で夢を追い、多いときは四つものアルバイトを掛け持ちした。「心が折れそうな時もあったけど、みんなが頑張れと声をかけてくれた。恩返しがしたい」。15日、広島市内であった新入団選手発表会見で、そう誓いを立てた。

 最速150キロにまで伸びた直球が持ち味の右腕だ。千葉・横芝敬愛高から2019年に四国アイランドリーグplus(IL)の徳島に入団した。ただし、練習生という立場のため、給料はゼロだった。練習時間を確保した上で、月10万円弱の生活費は建物の解体などのアルバイトで稼ぐしかなかった。

 居酒屋なら午前9時から午後5時までの練習を終えてから店へ。深夜1時まで働いた。ニンジン農家の仕事も経験した。「葉を切り落としたり、畑のビニールをはがして、鉄パイプを集めたりという作業をやっていました」。稼ぐだけでなく、使う方も減らした。「電気代をかなり節約した。極力、電気はつけないと意識して電気代は月600円。頑張りました」。アルバイトがない日はトレーニングに出て家での滞在時間を減らした。夏場もエアコンを控えた。

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