鶴岡北高・田村さんが優秀賞、ヤングケアラー問題考える

佐藤孝則
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 家族や友人と新聞記事を読み、感想や意見をまとめる「第11回いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)の入選作が14日、発表された。学校奨励賞を受賞した山形県立鶴岡北高校から、田村真優(まひろ)さん(3年)が優秀賞、若生心愛(ここな)さん(1年)が奨励賞にそれぞれ選ばれた。

 優秀賞の田村さんは、10代で家族を介護する「ヤングケアラー」を取り上げた記事を母親と読んだ。

 「私と同じ世代の学生が介護もしているなんて」。ヤングケアラーと呼ばれる人たちの存在を初めて知って、衝撃を受けたという。「周りと同じような部活動や学業もしたいはず。夢をあきらめたり、可能性が狭められたりしている」

 介護関係の仕事に就く母親からは「介護は想像以上に大変。社会全体で助け合っていくべきだ」と切実な声も聞いた。

 田村さんは、介護を受ける人がいるひとり親家庭や、重度の介護が必要な家庭が施設などに「優先的に入居できるような制度が必要」と提案。そのためには「ヤングケアラーの存在や現状をもっと広く知ってもらうことも必要だ」と考えるようになったという。

 奨励賞の若生さんは、障害者施設についての記事を選んだ。記事は、施設設置に反対運動が起きる地域があることも伝えていた。

 若生さんは小学校の先生を目指している。自身が小学生のころ、障害のある子どもたちと一緒にクリスマス行事に参加。「そうした子どもたちは普段、どのように過ごしているのだろう」と気になっていたという。

 看護師の母親と一緒に読み、障害のある子どもを育てる保護者の苦労も教わったという。若生さんは「それまでは子どもたちのことしか考えていなかったが、その親や周囲の気持ちも一緒に考えていく必要があると感じた」と話している。

 山形県内からは、県立山形西高校の小座間桃奈さん(3年)も奨励賞に選ばれた。小座間さんは安楽死をめぐる記事を読み、考えをまとめた。

 コンクールには国内外から計5万7977編の応募があった。うち県内の3人が入選した高校・高等専門学校生部門への応募は2万7295編だった。第12回コンクールは、15日から募集が始まる。(佐藤孝則)

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