第4回金融庁が「大ごとにしたくない」?業界に共有されたメモ

有料記事生保の女帝

柴田秀並
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 第一生命元社員(89)が顧客から19億円を詐取した問題は、国会でも話題になった。

 今月1日の参議院財政金融委員会。ほかの保険会社で同様な事案がないかと委員に問われ、金融庁の栗田照久監督局長は「今回はきわめて特異な事案」と答えた。理由として、巨額さ、詐取期間の長さ、成績優秀者の行為という3点を列挙。「各社自ら職員の管理体制を改めて検証し、必要な対応をとるように求めている」と説明した。

 業界では一時、保険業法にもとづく報告徴求命令を金融庁が各社へ出すのでは、との不安が広がった。そんなさなかの11月11日午後、明治安田生命保険の調査部長らが霞が関の金融庁を訪れた。同社は生命保険協会の会長会社。事件を機に、営業員管理をどう改善するかなどを話すためだった。

 「当局訪問メモ」。そう題した業界の内部文書を記者は入手した。金融庁の担当課とのやりとりの概要が記されており、訪問した明治安田がまとめた書きぶりだった。

【連載】生保の女帝

第一生命保険の元女性営業社員(89)が、顧客のお金19億円をだまし取る問題が起きた。なぜ、どうやって多額のお金を集めたのか。社内で「女帝」と評されるほど力を持った元社員の事件の実態と背景を探った。

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 メモによると、金融庁側は「…

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