二条城、80年前の映像見つかる あの人形たちもいない
「明治維新このかた、尊い歴史を持つ二条離宮が、畏(かしこ)きあたりのおぼしめしによって、京都市にご下賜(かし)になりました」
そんなナレーションで始まる映像「御下賜になった二條離宮」が、朝日新聞が子ども向けに制作したニュース「アサヒホームグラフ」に残っていた。
二条(條)離宮とは、いまの世界遺産・二条城(京都市中京区)のことだ。1603年、江戸幕府初代将軍の徳川家康によって、京都御所の守護や上洛(じょうらく)の際の宿泊所として築城された。
3代将軍家光の時に大規模な改修や拡張がなされ、1867年には15代将軍慶喜が二の丸御殿の大広間に在京諸藩の重臣を集めて、「大政奉還」の意思を表明したことでも知られる。
この映像は1分20秒ほど。二条城の歴史を紹介しながら、重要文化財の唐門や二の丸御殿(国宝)、本丸御殿(重要文化財)、二の丸庭園(特別名勝)などを映し出している。
元離宮二条城事務所の鳥居将志・総務課長は「1940(昭和15)年ごろの映像だろう」とみる。
なぜなら、二条城は明治に入って皇室の別邸「二条離宮」となり、39年に宮内省から京都市に下賜(かし)され、40年に一般公開が始まったからだ。映像には、二の丸御殿のそばを歩く来場者の姿も映っていた。
よく見てみると、今の二条城と違う点もあった。
たとえば、二の丸御殿の大広…
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