有観客ライブ再開のフォーリミ、それぞれの9カ月と今後

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高絢実
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 名古屋市出身のバンド「04 Limited Sazabys」(通称フォーリミ)が11月28~29日、地元愛知県でワンマンライブ「YON EXPO’20」を開催した。新型コロナの影響で中止となった全国ツアー以来、約9カ月ぶりの有観客ライブに、約1万人のファンが熱狂。2日間を終えたメンバー4人に、主催フェス「YON FES」の中止や、新型コロナで活動できなかった9カ月間、今後について、話を聞いた。

 初日の11月28日、会場となった県国際展示場「Aichi Sky Expo」を訪れた。

 コンセプトは「空港」で、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの3種類のチケットで、入場口は空港の出発ゲートを模した。

 「YON EXPO」は昨年のさいたまスーパーアリーナに続いて2回目。全席指定で収容人数を減らし、観客は発声を控えるなど、新型コロナ対策を徹底した上で開催された。

 午後7時の開演時刻を少し過ぎて、ステージ前面の幕にマスク着用などを呼び掛ける機内アナウンスが流れた。

 「間もなく当機は離陸致します」というメッセージの後、メンバー4人が滑走路を歩く姿。次の瞬間、ステージ上に立つ4人のシルエットが幕に浮かび上がった。

 「Terminal」でライブがスタート。幕が落ちて、4人が姿を現す。Tシャツやタオルなどグッズを身につけたマスク姿のファンが、大きな拍手で迎えた。「帰ってきたぞ!」。ベース・ボーカルのGENさんのかけ声とともに、「climb」、「Chicken race」と続く。

 MCではGENさんが「実はステージに立ったら無観客だった、というドッキリなのでは?って。人がぎっしりいて、俺ら人気だなと」と笑いを誘う。ギターのHIROKAZさんは「緊張している」。ギター・コーラスのRYU―TAさんが「1曲目から感動しました」と話すと、ドラムのKOUHEIさんも「RYU―TAと一緒で泣きそうになった」と応じた。

 ファンの前で初披露となる「Jumper」のほか、アコースティックセットでの「Horizon」や「hello」をしっとり歌い上げると、ファンも体を揺らしながら静かに聴き入った。

 4人がパイロットや客室乗務員などに扮したコント風の映像も。整備士をイメージした衣装に着替えた4人は、「会いたかった気持ちを手紙にしたためてきました」と、「Letter」を披露。優しく客席を見つめた。

 終盤、GENさんは「自分たちは不要不急の存在。でも、心の健康に役立てる気がしています。生きる力を与えたい」と語りかける。「考えすぎていたんでしょう? それをシンプルにしたいんだ。自分自身に生まれ変われ!」と叫び、「Squall」をかき鳴らした。

 ワンマンでしかやらない「Give me」など、アンコールを含めて全24曲。「今年初めてだった人も、ラストだった人も、また会いましょう」と呼び掛け、ステージを終えた。

「音楽に触れない」「ライブがしたい」それぞれの9カ月

メンバー4人との主な一問一答は以下の通り。

 ――2日間を終えてみてどうでしたか。

 GEN 初日は久しぶりすぎて感覚を取り戻すような一日でした。二日目はお客さんの表情やライブ自体を楽しむ余裕ができて、純粋に楽しかった。自分にとってライブをすることが必要だったんだなと思いました。

 KOUHEI ほぼ一緒ですね。一日目は感極まることの方が多くて、その状況をかみ締めていた感じが多かった。二日目は「ちゃんとライブをしている」というのがはっきりとわかったので、そういう2日間を経験できたのは、すごく良かったなと思います。

 RYU―TA 僕は、やっとライブができるということで、お客さんとちゃんと顔を合わせて、向こう側もやっと僕らをちゃんと見られるという感覚もあるし、同じ気持ちで、2日間できたのがよかったと思います。

 HIROKAZ 2日間やりきれてよかったです。コロナ(感染者数)も増えて、やれるのか少し不安もありましたが、2日間無事にやりきれたので、スタッフを含めみんなホッとしていると思います。

 ――有観客ライブは9カ月ぶりでした。一音目を鳴らした瞬間や、始まった瞬間はどうでしたか。

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 GEN 鳴らした瞬間という…

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