したためる人も当日まで知らず 「今年の漢字」振り返り
その年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」は、1995年に始まり、今年で26回目。日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が漢字に関心を持ってもらおうと、京都・清水寺を発表の舞台にしている。 「今年の漢字」は開始以来、清水寺の森清範貫主が揮毫(きごう)している。大きな文字をしたためる筆は、毛筆部分が長さ11・5センチ、柄の部分が長さ26センチ。森貫主が文字を知らされるのは発表当日。「稽古というようなものはできません」と取材に話し、毎回、練習せずに書ききっているという。
選ばれる字は同協会が全国から募集した中で最多のもの。複数回1位となった漢字もある。ただ、選ばれる理由はさまざまだ。
2019年までで最も多いのは、3回選ばれた「金」。内村航平さんが体操個人総合と男子団体で金メダルを取ったリオデジャネイロ五輪の16年▽レスリングの吉田沙保里さんが金メダルに輝いたロンドン五輪の12年▽マラソンの高橋尚子さんが金メダルをかんでみせたシドニー五輪の00年だ。これらの年は東日本大震災の復興予算や政治資金など、お金をキーワードとする問題や事件が起きたことも、繰り返し選ばれた背景にあったようだ。
一方で、金メダルの獲得数が16個と1964年の東京五輪に並び最多タイのアテネ五輪があった2004年には新潟県中越地震や浅間山噴火が起き、「災」が選ばれた。北海道胆振東部地震や西日本豪雨などの災害が相次いだ18年にも「災」が選ばれ、次点の2回となっている。
後半では1995年からの「今年の漢字」を振り返ります。
災害が選定理由になった年は…
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