父の死、母の病、コロナ禍乗り越え…きょうだいが料理店
中川史
きょうだい3人の思いが詰まった1軒の「イタリアン割烹(かっぽう)」が誕生した。三重県松阪市中町に11月オープンした「TAVERNA Kenta」。重なる困難を乗り越えてきたオーナーと弟妹は「妥協はしたくない。僕らしかできない高みを目指す」と、ミシュランガイドでの「星」の獲得を目標に掲げる。
TAVERNAはイタリア語で食堂、居酒屋。オーナーシェフの平生健太さん(33)は「将来はイタリアンのシェフに」と夢見つつ、「すべての基本は和食」と父の知人が営む市内の料亭で修業した。
中学を卒業してすぐだった。「やりたいことや目標がないのに高校に行くな」が、肝っ玉母さんだった母尚美さん(54)の教育方針。兄の背中を見ていた仲良しの弟、良太さん(32)も「いずれ兄と一緒に働くなら」と2年後、伊勢市のフランス料理店に勤めた。
初めの試練は、兄に知人の料亭を薦めた父智一さんの死。2007年、交通事故で突然だった。
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夢に一歩でも近づきたい気持…
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