誰が本を読まなくなった? 実用主義ブームの終焉の先に

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聞き手・湯地正裕 聞き手・高久潤 聞き手・中島鉄郎
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 本を読まなくなった、といわれて久しい。統計を見ればそうかもしれない。じゃあ誰が、なぜ読まないのか? 「読書離れ」を疑ってみたら、本と私たちの新しい関係が見えてきた。

分化進むビジネスパーソン 井上慎平さん(NewsPicksパブリッシング編集長)

 いま30~40代のビジネスパーソンでは、「本を読む人」と「読まない人」との分化が進んでいます。ビジネス競争の激しさのなかで、「論理的思考」を少し学んだところで出世なんてできないし、そもそも変化が早すぎて何が正解か分からない。シンプルなスキルを扱ったビジネス本は売れづらくなったと感じます。

 象徴的なのは、外資系金融のトレーダー。国際政治に精通している方も多かったのですが、コンピューターによる自動的な取引が主流になると実務の上で教養の重要性が下がった。経済的なステータスと教養的なステータスが乖離(かいり)してしまったと感じます。

 かつては、無条件に「教養はいいものだ」という思想がありました。立派なビジネスパーソンなら古代中国の歴史ぐらい知っていないと恥ずかしい、という空気感です。それが「何の役にも立たないものを読むのは、むしろ頭が悪い」というような、実用主義ともいえる風潮に変わった。

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