感染と偏見、そのど真ん中で 物資を届けて回った日本人

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荒ちひろ
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 WFPの職員約2万人のうち、およそ9割が支援の現場で働く。2017年から日本事務所代表を務める焼家(やきや)直絵さん(47)も長く現場を経験してきた一人だ。13~15年にはアフリカ西部シエラレオネの事務所副代表を務め、エボラ出血熱の流行発生から収束まで、ウイルス禍のまっただ中で支援に取り組んだ。

 エボラ出血熱は致死率が高く、長く内戦を経験したシエラレオネの人々が「内戦よりも怖い」というほど、当時の状況は緊迫していたという。焼家さんたちは、命をつなぐための緊急支援として、感染地域で隔離された村やエボラ治療センターに、米や豆、植物油などの食料を支援。また、隔離地域に入れる人は限られるため、食料と一緒に、衛生物資や生活用品、携帯電話のSIMカードなども臨機応変に運んだという。

「取り残されていない」ということ

 通常の支援では、決められた場所に食料を取りに来てもらうが、エボラ患者が出て隔離された家には、一軒一軒物資を届けてまわった。感染防止に必要な距離を保つために家の前でロープを張り、距離をとりつつ食料を渡す。そんな活動の中で、ある若い女性の言葉が印象に残っているという。

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 「首都フリータウン郊外にあ…

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