在宅勤務が急に広がる中、不動産会社は、職場の交流スペースを充実させるよう唱えている。各社のオフィスを訪ねてみると、現代の「たばこ部屋」とも思える空間が広がっていた。
東京・日本橋にある三井不動産の日本橋室町三井タワー。12階の受付には、森林のアロマの香りが漂っていた。フロアの中央は8階から12階までをつなぐ内階段があり、周囲はカフェを併設したオープンスペースになっている。鳥のさえずりの音が流れる場所もあった。
オフィスづくりを担当した総務部の斎藤貴夫さん(53)に狙いを聞くと、「内階段で人と出会う機会が増えた。カフェに足を運ぶと他の人に会って話がはずむ。香りや音で気分転換ができる。予定された打ち合わせがなくても、社員同士が自然に会って話せる場にしたかった」と説明してくれた。
仕事場を離れて一服したり、他部門の人と気軽に意見交換をしたり。いまではすっかり影が薄くなった「たばこ部屋」(喫煙室)の役割を思い浮かべた。私はたばこを吸わないが、「一服」をきっかけにした他部門とのつながりを仕事に生かす同僚や取材先の話はよく耳にしたからだ。
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同社が複数のビルに点在して…
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