お肉のサブスク、きっかけはフライパン 鋳造会社の挑戦

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小西正人
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 創業82年になる鋳造会社が、「お肉のサブスクリプション(定額定期便)」を新商品として売り出した。鋳物メーカーが「食肉」を手がける事情とは――。

 1938(昭和13)年創業の「石川鋳造」(愛知県碧南市)の4代目社長、石川鋼逸(こういつ)さん(48)は、名前に「鋼」の文字が入る。自動車部品や水道管の委託製造を主に請け負ってきた。

 「食肉」とのつながりが生まれたのは、2017年12月。「肉がおいしく焼ける」ことに特化したフライパンを開発・商品化した。自動車メーカーなどの下請けから脱して、自社製品で勝負に出た。

 熱伝導が良く、蓄熱温度が高い鋳物の特性を生かしたフライパン。フッ素樹脂塗装なしでも焦げ付きにくく、さびにくいよう加工した。

 秘密は鉄板の厚みだ。他社の主流商品の3倍ほど、4~5ミリもある。内径20センチと小ぶりだが、ずっしり重い。商品への「思い」と「重い」をかけて「おもいのフライパン」と名付けた。

 新聞やテレビで紹介されると、税抜き9千円(現在は同1万円)と高額ながら注文が殺到した。同社のウェブサイトからの通信販売で、多い時は1日1万5千枚の注文があり、3年待ちの人気商品に。

 だが、フライパンは頻繁に買い替える商品ではない。大きいサイズを出すなどしたが、数年たつと、注文も落ち着きを見せ始めた。石川さんは次の手を考えた。

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 「このフライパンを欲しがる…

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