第2回コウモリと暮らす小さな村 「未知のコロナ」感染の痕跡

有料記事コロナの起源 科学者たちの足跡

夕陽イ族自治郷=平井良和
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 太陽の光冠(コロナ)のような突起を持つコロナウイルス。そのウイルスの多くは、暗く湿った洞窟の中で見つかっている。新型コロナウイルスの研究をする科学者たちがもっとも注目するのが、洞窟をねぐらにし、多くのウイルスの宿主になるコウモリだ。

 中国雲南省の銅山で、新型コロナウイルスと遺伝子情報が96%一致するウイルス「RaTG13」を発見した武漢ウイルス研究所のチームも、新型コロナの流行前から、宿主としてのコウモリの研究を続けてきた。

 雲南省昆明市の市街地から南西に約70キロ。山すそに少数民族イ族が耕す田畑が広がる夕陽郷という地域には、人里の近くにコウモリの洞窟が多くある。

武漢ウイルス研が断続的に調査

 瓦屋根の平屋が並ぶイ族の村。民家のすぐ裏手にある直径10メートルはあろうかという縦穴の洞窟は、のぞき込んでも底が見えない。村人たちは「燕子洞(ツバメの穴)」と呼ぶが、近くに住む90代の女性は「洞窟には燕のほかにコウモリがたくさんいる。夜になると飛び出してきて、民家の屋根にとまる」と言う。

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 この地域には、02~03年…

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