来春の春闘「賃上げ難しい」 経団連、8年ぶり方針転換

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諏訪和仁 佐藤英彬
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 経団連は7日、会長と副会長が来春の春闘に向けた経営側の方針を話し合い、コロナ禍で業績が悪化している企業が多いことから「賃金の引き上げは難しい」との方向でまとまった。今年の春闘まではベースアップを含め賃上げに前向きだったが、8年ぶりに厳しい姿勢に転じる。対する労働組合の中央組織・連合は8年連続でベア目標を掲げる。例年以上に厳しい交渉になりそうだ。

 経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は7日、リンパ腫の治療を受けている入院先からテレビ会議システムを通じて会見し、「今の経済状況を眺めわたすと、(来春の春闘は)賃上げ折衝として、ベアがいくらという状況ではないだろう」と話した。

 7日の議論のたたき台とした方針の原案では「業種横並びや各社一律の賃金引き上げを検討することは現実的ではない」とした。コロナ禍の影響は業種によって差が大きく、宿泊や飲食、交通などの落ち込みが大きい企業は「事業存続と雇用維持を最優先」「ベアの実施は困難で、定期昇給の実施の可否なども含めて検討せざるを得ない場合もあり得る」とする。一方で好調な企業については「賃金水準の引き上げ(ベア)も選択肢」としている。

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