不寛容が覆う現代に問う 宮本亞門、念願の世界初舞台化

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編集委員・藤谷浩二
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 1970年代のカリフォルニアで、ゲイのカップルが母親に見捨てられたダウン症のある少年の養育権を得ようと闘う――。実話に基づいた米国映画チョコレートドーナツ」(2012年)が宮本亞門の演出で世界初舞台化される。5年越しで実現にこぎつけたという亞門は「マイノリティーへの差別や同性カップルの養子縁組など、今の時代にも響くメッセージがある」と語る。

 日本公開時に映画を見て強い印象を受けていた亞門は、来日したトラビス・ファイン監督と会って意気投合、舞台化を即断した。「同性愛者やハンディがある人といった少数派への差別が厳しかった時代の物語ですが、可哀想な人としてではなく、自立した力強い人間として描かれているところが魅力です」

 アラン・カミングが好演したショーダンサーのルディを東山紀之、パートナーの検察官ポールを谷原章介が演じる。「難役に100%前向きに取り組んでくれていて、俳優にとっても挑戦しがいのある作品なのだとあらためて感じます。東山さんとは初めてですが、本読みの段階から本気度が伝わってきた。台本の変更などがあってもとにかく集中して、ルディの痛みやプライドを無心で表現している。蜷川幸雄さんの演出作で女形や女性を演じていますが、ドラァグクイーンのこの役で、さらに次の段階へ自分を高めていくだろうと確信しています」

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 ダウン症のある少年マルコは…

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