出自を知る権利、議論深まらず 「無責任な法律」指摘も

有料記事

市野塊 阿部彰芳
写真・図版
[PR]

 第三者から精子や卵子の提供を受け、生殖補助医療によって子どもを授かった場合の親子関係を定める民法特例法案が成立する見通しになった。法律の必要性が提言されてから約20年。ようやく一歩を踏み出した形だが、生殖補助医療の規制のあり方や、生まれてくる子の「出自を知る権利」など、積み残された課題は多い。

 第三者の卵子提供をめぐっては、長野県のクリニックが1998年に出産例を公表。同じころ、第三者の精子を子宮に入れて人工授精させる「AID」をめぐり、夫の同意を得ないまま実施されて生まれた子について、夫が法律上の親子関係を否認することを認める判決を大阪地裁が出した。営利目的の精子売買や代理出産のあっせんの動きもあった。

 旧厚生省の専門委員会は2000年、精子や卵子の提供を認め、条件として親子関係を法律に明記することを報告書にまとめた。03年には厚生労働省の部会が、子どもが遺伝上の親を知る「出自を知る権利」も認める報告書を出した。

 だが、国会などでの議論は深…

この記事は有料記事です。残り1288文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら