「売り手市場」から一転 100社応募でも見つからぬ職

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山本知佳
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 新型コロナウイルスによる不況で、厳しい雇用情勢が続いている。仕事を探す人たちが抱える不安や焦りも、増すばかりだ。

 次は自分かもしれない――。

 名古屋市に住む派遣社員の女性(38)は、職を失う不安を募らせている。

 新型コロナウイルスの影響で、派遣先のメーカーでは大きなプロジェクトが事実上、中断に追い込まれた。夏以降、同じ職場の技術系の派遣社員が、何人も契約を打ち切られた。自分の契約は今月、更新期限を迎える。「もしかして、次は自分だろうか」。そう思わずにはいられない。

 2005年に大学を卒業した。公務員を目指したが試験には受からず、地元図書館の司書や、国の出先機関などで「非正規」として働いた。任期が切れるたび、正社員を目指した。

 家族や友人は「正社員にこだわらなくても」と励ましてくれたが、「大学を出て非正規で、何をしてきたの?」と言われ、傷ついたこともある。ひとりの時間、「自分は誰にも必要とされていないのでは」という思いがこみ上げる。次の職場が見つかると、居場所があることに安心した。

 今の職場に来たのは7年前だ。働きながら、転職サイトなどで正社員への道も模索し続けてきた。今は、ここ数年で最も厳しい求職環境だと感じている。

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