川内優輝さん語る コロナで日本のマラソンはどうなる?

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聞き手・堀川貴弘
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 新型コロナウイルスがやってきて、各地の市民マラソンが中止、延期になっています。川内優輝選手も公務員から昨年4月、プロランナーに転向したばかりなのに、大会に出ることすらできませんでした。川内さん、日本のマラソンは今後、どうなりますか。

 ――プロに転向して2年目。ゲストランナーや講演などの仕事は次々にキャンセルになりました。

 「まさかのまさかですよね。市民ランナー向けの大会も実施されているのは、交通規制を伴わない河川敷などでのレースぐらいですから」

 ――4月上旬に取材した時は相当落ち込んでいました。

 「マラソンと旅行好きの私が新型コロナの影響で何もできないですから、3月中ごろからの3カ月ほどは人生がおもしろくありませんでした。その間は、人出がない雨の日を選んで練習をしたり、自転車に乗ったり。家にあったママチャリで100キロを走破したこともあります。ただ、スピード練習はできませんでしたが、土台はできた気がします」

 ――自粛期間中に「国内旅行業務取扱管理者」という資格試験の勉強も始めました。

 「埼玉県などからコロナ禍で目標を失った小中学生へのメッセージを頼まれ、『今しかできない勉強をしましょう。勉強は1人でもできる』なんて話したので、言いっ放しではいけないと思い、私も勉強を始めました。無事合格できてよかったです」

 ――自粛期間があけてからはどのように練習していましたか。

 「都道府県をまたぐ移動の自粛が緩和された6月19日から御岳(岐阜)、蔵王(山形)、開田高原(長野)など人気(ひとけ)の少ないところで高地合宿を重ねました。これまでも高地トレーニングをやった方がいいと周りから言われていたんですが、公務員時代はなかなか行けなくて……。おかげで呼吸が楽になり、だいぶスピードも戻ってきた気がします。11月15日の記録会の5000メートルでは8年ぶりに14分5秒を切りました」

 ――徐々にスポーツが戻りつつありますが、まだまだ市民マラソンが戻ってきたとは言えません。新型コロナの影響が残る中で、こうした大会は今後、どうなるでしょうか。

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 「近年のマラソンブームに乗…

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