学術会議、他国の例は 任命問題「欧米で起こりえない」

有料記事日本学術会議

畑宗太郎
[PR]

 菅義偉首相が一部の会員の任命を拒んだ問題に揺れる日本学術会議。学術的な立場から政府に提言などを行うのが主な役割だが、こうした「アカデミー」は欧州発祥とされる。海外ではどのように運営されているのか。

 「新型コロナウイルスの感染流行に対し、秋と冬に向けた効果的な対策づくりを。今後数カ月の社会生活を守る対策は、今必要だ」

 ドイツの「科学アカデミー・レオポルディーナ」は第2波の感染者が増え続ける中、気温が下がってさらなる流行が懸念されるとして、新たな対策づくりを急ぐよう政府に求める声明を10月はじめに出した。

 新型コロナ対策をめぐっては教育格差の拡大を防ぐため、学校の通常授業を早期に再開するよう求めるなど、同アカデミーのホームページによると、6本の声明を発表している。

 同アカデミーは1652年に設立。神聖ローマ帝国皇帝のレオポルド1世の名前を冠し、2008年に政府によって国立学術アカデミーに認められた。予算は連邦政府と地方政府が負担するが、法的には非営利組織と位置づけられる。会員は無報酬で活動し、政府は選出に関与しない。

人事は独自、政府は関与せず

 欧米では差があるものの、多くのアカデミーが政府から独立する一方、一定の財源を公金でまかなう形式はほぼ共通している。

ここから続き

 1666年にルイ14世によ…

この記事は有料記事です。残り587文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら