大阪と関西空港を結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」の台車に長さ14センチの亀裂が見つかった重大インシデントについて、国の運輸安全委員会は26日、溶接の不備によって亀裂が発生したと推定されるとする調査報告書を公表した。

 亀裂があったのは、モーターを車両の台車に取り付けた部分。昨年8月、走行中の車両の連結部分で、車掌が金属片のこすれ合うような音を聞いたことがきっかけで見つかった。

 ラピートの台車は新日鉄住金(現・日本製鉄)が設計・製造し、2、4、5号車の車両にそれぞれ四つずつモーターが取り付けてある。報告書によると、2005年に取り付け部分の強度を上げるため、台車メーカーがこの部分に鉄板(長さ・幅約5センチ、厚さ約2センチ)を溶接して補強した。

 本来は鉄板の一部を削って溶接するはずなのに、削らずに溶接したため、鉄板と台車の間にすき間ができてしまった。メーカー内で溶接担当に鉄板を削る指示をしていなかったという。南海も、補強した箇所の非破壊検査を定期検査に組み入れていなかった。

 運輸安全委は、鉄板の加工をしなかったことで不適切な溶接になり、亀裂ができたと推定。その後も発見できずに亀裂が進んだ可能性があるとした。

安全な走行を続けるうえで極めて重要な部分である台車。しかし亀裂などのトラブルが発覚したのは南海電鉄だけではありません。どう対策を講じていけばよいのしょうか。詳しくは記事の後半で。

 その後、南海が同じ車両を使っ…

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