個性引き出す采配、随所への気配り 木内流支えた観察眼

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小松重則
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 24日に89歳で亡くなった木内幸男さんは取手二と常総学院の野球部監督として春夏の甲子園を制し、茨城県高校野球史に大きな足跡を残した。指導歴は足かけ半世紀。つぶさに選手を見つめるまなざしが、原点にあった。

     ◇

 2018年の夏の茨城大会の決勝。記者は木内さんが、「教え子対決」となった試合に足を運ぶと聞き、ノーブルスタ水戸の球場前で待った。

 「生きているうちにこんな機会があるとは限らないから、出て来たよ」

 佐々木力監督(当時)率いる常総学院と小菅勲監督の土浦日大のカード。木内さんは冗談交じりにこう話し、ネット裏の隅へ。記者も隣で解説を聞きながら一緒に試合をみた。

 四回表、常総学院が失策でピンチに。ぼやいた。

 「ここはマウンドに集めて『何やってんだ』と怒らないとダメなんだよ。『ドンマイ』と声をかけあっても、もやもやが残るから」

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 一呼吸入れて、選手同士が言…

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