高齢者施設で感染拡大、クラスターも 危機感広がる現場

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上地一姫
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 11月に入り消防施設や飲食店で新型コロナウイルスクラスター(感染者集団)が発生するなか、高齢者施設でも感染が拡大している。岩手県内では25日午後8時時点で累計162人の感染を確認。10月末まで60歳以上は3人だったが、25日時点で38人に増えた。高齢者が感染すると重症化するリスクがあり、22日には基礎疾患がある高齢者1人が死亡した。

 洋野町の高齢者が通うデイサービス関連で計8人の感染が判明し、県は24日、5例目のクラスターと判断した。ほかにも県内のグループホームで入居者や職員の計3人、滝沢市在住の人が通っていたデイサービス関連では計9人の感染が分かっている。高齢者に感染が広がっている背景として、飲食店や職場で感染した人が家庭にウイルスを持ち込んだと県はみている。

 「感染の広がりをひしひしと感じる」。盛岡駅西口にあるデイサービスセンターの田村登所長(66)は危機感を抱く。約50人の高齢者が登録し1日約20人が施設を利用する。盛岡市の飲食店でクラスターが発生した後の11月中旬から、利用者だけでなく、見送りする同居家族の体調も確認。ウイルスを「持ち込まない、広げない、持ち出さない」の3原則を守るため、家庭と密に情報交換している。

 洋野町にある別のデイサービス「きぼう」では利用を控える高齢者も出始めた。感染対策で家にこもりがちになると体力や気力が低下する。相談員が毎朝電話をかけ、体を動かす大切さを伝えている。管理者の信田沙織さんは「送迎車に看護師が同乗して体調の変化を見逃さないなど、対策を強化している」と話す。

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