砂と汗にまみれた愛しの高校生活、できることを見つめ有終へ(奏でるコトバ、響くココロ)
熊本県立熊本工業高校(下)
ハートは熱く
頭はCOOLに
それは、恋のようなものだった。
「何これ!? カッコ良か!」
中学1年のとき、熊本工業高校吹奏楽部の定期演奏会を訪れた「マイカ」こと光永舞香(みつなが・まいか)は、ステージの上でくり広げられるマーチング「ステージドリル」をひと目見た瞬間、心を奪われてしまった。
自分の通う中学校もマーチングに取り組んでおり、他校の演奏・演技を見たこともあった。けれど、熊工のマーチングはまったく別物だった。
「私も絶対ここでマーチングするけん!」
その日からマイカは愛(いと)しの熊工吹奏楽部に入るために、部活も勉強も頑張るようになった。
全日本マーチングコンテスト全国大会が行われる「マーチングの聖地」大阪城ホールの通称「緑の床」を目標に、必死にトロンボーンを吹いた。しかし、熊本県大会を突破することはできなかった。
ここから続き
毎年のように「緑の床」を踏…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら