数学五輪で銀メダル 2年連続銅から快挙 夢は数学者に

北村浩貴
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 広島大付属高校(広島市南区)3年の渡辺直希さん(17)=広島県呉市=が、今秋の国際数学オリンピックで銀メダルに輝いた。高校1年から3年連続で日本代表として出場。過去2回いずれも銅メダルを獲得しており、快挙を果たした。

 数学五輪は、大学教育を受けていない主に高校年代の大会。4767人が挑んだ日本数学オリンピックの予選や本選、選考合宿を経て、6人が日本代表に選ばれた。

 渡辺さんは小学生の時から算数が好きで、母親の勧めで算数の全国コンテストに小5で出場。中学に入って数学の問題を解くことに熱中し、中学2年までに高校3年分を終えたという。

 好きな分野は整数などの性質を研究する整数論だ。複数の観点から問題にアプローチできる楽しさがあるという。この3年は「今しかできないことを」と、数学五輪に打ち込んできた。

 今年9月のロシア大会は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催になった。105カ国・地域から616人が参加。2日間、各4時間半の制限時間内で3問ずつが出題され、42点満点の合計点を競った。

 渡辺さんは1、2年で銅メダルを獲得。今回は金メダルを狙い、難易度の高い過去問で練習を重ねてきた。結果は日本代表最高の29点で59位。上位約4分の1までに与えられる銀メダルだった。惜しくも目標に届かなかったが「3年間ずっと参加できたことで満足」と話した。

 学校では中高とも管弦楽班(部)でバイオリンを担当。部活動を引退後も週1回、ピアノのレッスンを受ける。担任の橋本三嗣教諭は「忙しい中でも時間を捻出し、工夫している。努力する才能がある」と語る。

 将来の夢は数学者。「数学は自分の頭であれこれ考えられる自由度があり、新しい分野を生み出すことも可能。唯一無二の性質を持つ学問だと思う」(北村浩貴)

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