耳のない子が使えるマスクを 「私の技が役に立つなら」

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波多野陽
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 生まれつきの病気で耳がなかったり、小さかったりし、新型コロナウイルスで必需品となったマスクをつけられない子どもたちがいる。その存在を知った大人たちが伝統工芸や町工場の技術を生かし、耳にかけずに使えるマスクやベルトをつくった。

 金沢市で地元の工芸品を扱う「ギャラリーしらいと」(金沢市彦三町1丁目)。町家を改装し、器やアクセサリーが並ぶギャラリーで、梅の花をイメージしたマスクベルトの発送準備が進む。市販マスクのひもの部分を引っかけるフックがついており、後頭部で固定するタイプだ。

 使ったのは「加賀水引」の技術。和紙をこより状にして糸を巻き付けたひもで、立体的な形を表現する金沢の伝統工芸だ。

 もともとは5月、ギャラリーのマネジャー中里美紀(みのり)さん(34)が、コロナ禍で販売の場を失った若手の水引作家らの支援にと企画し、大人用に作った。長時間着けても耳が痛くならず、おしゃれ。オンラインを中心に1千個以上が売れる人気商品になった。

 半年後、購入客から、SNS上での話を聞いた。「耳がない子どものため、耳にかけないマスクを探している人がいる」。マスクの縫製関係者らしい人のつぶやきだった。

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 先天的に耳が完全に成形され…

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