「港猪」(香港の豚)。香港当局の摘発を恐れて台湾に逃れた40代の香港人男性からこんな言葉を教わった。経済都市で政治に興味がない人を指し、蔑(さげす)みを含む。
男性は、香港人が民主的な選挙を求めて始めた2014年の雨傘運動の時から、若者らの相談に乗ったり、物資を提供したりしてきた。一方で、同年配の妻は当時、男性の活動にもデモにも無関心。男性は「彼女は『港猪』だった」と苦笑した。
ところが、妻は昨年、警察隊がデモ参加者に暴力的な強硬手段を取るようになったころから変わっていく。関連報道を追い、デモにも加わるようになる。さらに、今年6月の香港国家安全維持法の施行で男性への当局の監視が強まると、妻は「後始末は私に任せて、先に逃げて」。
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「港猪」が冷静で勇敢な市民…
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