G20、コロナの対処策は? 多国間協調は復活するのか

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ドバイ=伊藤喜之
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 中東のサウジアラビアが議長国となり、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)がテレビ会議形式で21日開幕した。これまで金融危機や、貿易投資、環境エネルギー問題など経済課題を中心に協調策を探ってきたが、今年は世界的な新型コロナ危機に主要国が足並みをそろえて対処策を打ち出せるかが、大きなテーマになる。

 G20サミットのはじまりは、2008年のリーマン・ショックにさかのぼる。米国を震源地とした金融危機への対処策を話し合うため、主要国などの首脳が同年11月に臨時に集まった。それまであったG20財務大臣・中央銀行総裁会議を首脳レベルに格上げしたものだった。その後、しばらく半年ごとの開催を経てから年1回開かれる現在のスタイルが確立することになった。

 Gはグループの頭文字。G7を構成する日本、米国、英国、フランスドイツイタリアカナダに、中国、ロシア、サウジアラビア、インド、ブラジルなど12カ国と欧州連合(EU)を加えた20カ国・地域が参加する。参加国の国内総生産(GDP)を足し合わせると、世界全体の約8割にも達する。

首脳宣言めぐり、ぎりぎりの攻防も

 G20サミットをこれまで支えてきたのはリーマン・ショック後の大恐慌を財政・金融政策で各国が足並みをそろえて回避できたという成功体験だ。大国間の利害のバランスをうまくとりながら、首脳宣言で多国間協調を実現する言葉を盛り込めるかが最大の見せ場で、その調整には毎回のように参加国のせめぎ合いが起きてきた。

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 08年の第1回から共通する…

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