「『緑の流域治水』による球磨(くま)川モデルの実現に向け、流域全体で支え、我々もその一翼を担っていかなければならない」

 20日の熊本県人吉市議会全員協議会。松岡隼人市長は、前日に蒲島郁夫知事が球磨川治水策をめぐりダム建設を容認したことを支持した。

 「緑の流域治水」は蒲島氏が打ち出した言葉だ。洪水被害を最小限に抑えるため、ダム建設だけでなく遊水地整備や宅地かさ上げ、避難体制の強化などを組み合わせ、行政と住民が一緒に取り組むのが流域治水。それに「自然環境との共生を図りながら」(蒲島氏)取り組むという構想だ。蒲島氏は「流水型ダムで洪水調整機能を獲得しながら、他の対策もちゅうちょなくやる」と述べ、すぐ着手すべき例として堤防や遊水地の整備、宅地の高台移転などを挙げた。

 7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した球磨川中流域の人吉市では20人が亡くなり、浸水などの住宅被害は約3500棟に及んだ。支流の川辺川にダムができれば最大の受益地になるとみられる。松岡市長は20日、「流域に生きる当事者として責任を果たす」とも述べ、ダムが造られる上流の自治体任せでなく、流域治水に協力する姿勢を強調した。

 ダム以外の治水策を地域全体で…

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