男の監督にそれ言う? ジェンダー改革の映画界で日本は

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佐藤美鈴 伊藤恵里奈
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 米アカデミー賞や各国の映画祭が、ジェンダー平等や多様性の実現を目指す改革案を打ち出し、具体的な目標を掲げて動き出した。映画界の男女比をフィフティーフィフティーにしようという運動が国際的に広がっているが、日本映画界の現状は。

女性監督の比率 「16・7%」 

 「16・7%」。先月閉幕した東京国際映画祭で上映された138本のうち、女性監督作品の比率だ。この数字について、観客賞を得た「私をくいとめて」の大九(おおく)明子監督に問うと、堰(せき)を切ったように語り始めた。

 「商業映画の世界に入って13年。当初はもっと女性のスタッフも監督も少なかった」。自身が監督を務める現場で「この組は女性が多いな」と言われても、「地球のバランスからいったらまだまだです」と返し続けてきた。

「女」が個性の一つのように

 5年ほど前までは起用理由の一つとして「女性監督にお願いしたかった」と言われることがよくあったという。「性別や国や育ちが監督に影響を与えてものを作らせている。女であることが個性の一つのように言われるなんて、有利だと思っていた」。しかし、次第に腹が立ってきたという。「男の監督にそれ言いますか?」、と。

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