誤解だらけのジョブ型雇用 名付け親が語る本当の意味

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聞き手・榊原謙
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 「ジョブ型」と称した人事制度を採り入れる企業が増えています。日立製作所資生堂などの大手も導入し、年功序列などの日本型雇用は、本格的に崩れるとの見方もあります。しかし、「ジョブ型」の名付け親として知られ、労働政策研究・研修機構で労働政策研究所長を務める濱口桂一郎さんを訪ねると開口一番、「ジョブ型は『成果主義』の代替用語ではない」。一体、どういうことなのでしょうか。

「成果で評価」「解雇しやすくなる」「日本型雇用より柔軟」……その全てが「誤解」だと濱口さんは喝破します。名付け親自身が語る本当の「ジョブ型雇用」とは、どのようなものなのでしょうか。

 ――「ジョブ型」の人事制度を打ち出す企業が相次いでいます。

 「『ジョブ型雇用』は私が10年ほど前に言い出した言葉だが、今年に入って、字面は同じ『ジョブ型』でも、9割がた違う意味で使う企業が次々に出てきた。『人材を、労働時間ではなく成果で評価することがジョブ型』などというミスリーディングな言説もメディアをにぎわせている。議論の前提がグジャグジャになっており、さすがに捨ててはおけないという感じだ」

 ――ジョブ型とは本来、どのようなものなのですか。

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 「会社と、そこで働く人をつ…

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