明石海峡に沈んだ連絡船「せきれい丸」 証言もとに絵本

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神田誠司
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 終戦間もない1945年12月9日、兵庫県淡路島から明石市へ向かう連絡船が沈没し、304人もの命が失われた。この事故を題材にした絵本「せきれい丸」(くもん出版)が18日、出版された。「じごくのそうべえ」などで知られる絵本作家の田島征彦(ゆきひこ)さん(80)が、生存者らの証言をもとに描き上げた。

 せきれい丸は淡路島の岩屋港(淡路市)から対岸の明石港に向かう途中、明石海峡で強風を受けて転覆。定員の3倍超の349人が乗っていたことが一因とされる。闇市に買い出しに行く人や島で手に入れた食糧を持ち帰る人が甲板まであふれ、身動きできない状況だったといい、戦後の食糧難が背景にあった。

 20年前に京都から淡路島へ移り住んだ田島さんが事故を知ったのは5年ほど前。きっかけは妻の英子(ひでこ)さん(74)が趣味で通う句会を主宰する元中学校教師の大星貴資(たかし)さん(91)=淡路市=のエッセーを読んだことだ。大星さんは事故の生存者45人のひとりで、その体験を記していた。

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 大星さんは当時16歳で、神…

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